| 症状から調べる | ||
![]() |
||
月経が来ない(無月経といいます)のは次のような場合があります。
・同年代の友人は月経があるのに自分は生まれてからずっと月経がない(これを原発性無月経と呼びます)。だいたい16歳ぐらいを目安に、月経が来ない場合は病院に受診された方がいいでしょう。多くの場合は10-12歳頃に月経が始まります。思春期の子どもさんをみることができる婦人科の医師や内分泌の専門医に受診されるとよいでしょう。
・いったんあった月経が来なくなってしまった(これを続発性無月経と呼びます)。月経の周期は、大体25-35日です。普段月経が規則的に来ている人で2か月以上月経が来なければ、無月経と考えたほうがよいでしょう。このうち、病気でないのは、妊娠している場合と閉経した場合ですね。閉経は50歳頃が最も多く、実際には45-55歳頃にばらつきます。妊娠にしても閉経にしても、判らない場合は病院に受診された方がよいでしょう。
最近発売されている尿の妊娠判定薬で陽性になるのは、性交渉があってから2週間はたってからです。偽陽性も偽陰性もありますから、妊娠判定薬はあくまで参考程度に利用しましょう。
40歳以前に閉経した場合は、早発閉経と呼びます。閉経というのは卵巣に卵子がなくなってしまった状態です。今の医学では、なくなった卵子を回復したり増やすことはできません。残念ながらそれ自体を治療することはできませんが、卵巣機能低下によって起こる異常(例えば骨粗鬆症)の予防をはかることはできます。いつ閉経するかは誰にも予測ができません。実際には1年以上月経がなかった場合、最終月経の時期にさかのぼって閉経とします。
無月経の原因や診断については、「無月経」のページをご覧ください。
月経は、はじまった日を第1日とし次の月経がはじまる前日が第28日目なら28日型というふうに数えます。月経は、だいたい25-35日型です。様々な原因でこのサイクルが乱れることがあります。これを月経不順と呼びます。
月経不順には、間隔が長くなってしまう場合(稀発月経)、間隔が短くなってしまう場合(頻発月経)、あるいは間隔がばらばらの場合などがあります。また、周期は規則的でも、月経の出血が長引く(過長月経)、月経がすぐ終わってしまう(過短月経)なども、月経不順に含まれます。月経が持続するのはだいたい3〜7日くらいです。
28日目前後の周期で規則的に月経がある場合、ほとんどは排卵していますが、必ず排卵しているとは言えません。また、月経が不順の場合は排卵していないこともありますが、排卵していることもあります。つまり、月経の周期から排卵の有無を推定することは難しいのです。
1回の月経で50-100mlくらいの出血があります。この出血量が多い場合を過多月経とか月経過多といいます。しかし、誰も月経量をはかっているわけではありません。また、他の人と比べることもできません。だから、本人が月経量を(きっと他の人よりうんと)多いと思えば、それは過多月経、もしくは月経過多です。
だいたいの目安として、日中、普通サイズのナプキンを用いて1-2時間で取り替えないといけない場合や、夜用の大きなサイズのナプキンでも洩れてしまう場合は、量が多い可能性があります。またピンポン球を超えるような血のかたまり(凝血塊、レバーのように見えます)が出る場合も、過多月経の可能性があります。
月経が多いかも知れないと思ったら、病院で貧血の検査を受けてください。人間は、食事から鉄分を取ります。鉄が出て行くのは、けがでもしていない限り、消化管から出て行く(消化管のがんや潰瘍、痔がないとするとまれ)か、月経として出るかです。食べてはいる鉄分の量は限界がありますから、月経量が多いと必ず貧血になります。逆に言えば、貧血がなければ、増血剤(鉄剤)でも服用していない限り貧血はないと考えてよいでしょう。
子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜ポリープがある場合は過多月経の原因になります。
月経の量が少ない
過多月経と異なり、月経の量が少ないから、特に困ったことが起こるというわけではありません。しかし、子宮内膜に癒着(子宮内腔癒着とかアッシャーマン症候群と呼ばれ、子宮内感染や頻回の掻爬などで起こります)があると月経が少なくなったり、また、卵巣機能が低下すると月経量が少なくなってきます。なかなか子どもさんができないような場合に、月経の量が少ない場合や、少なくなってきた場合は要注意、それ以外の場合は経過をみてもよいと思います。
月経が長びく
月経が、7日以上続く場合を過長月経(もしくは月経過長)と呼びます。子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜ポリープがある場合は過多月経だけではなく過長月経の原因にもなります。
月経以外の時期に、出血することを不正出血といいます。膀胱からの出血や、痔による肛門からの出血などは含みません。しかし、これも自分では区別できないですね。不正出血があったら取りあえず病院に受診してください。
初経(初潮)前の不正出血は、異物や外傷、内分泌異常で起こります。まれにブドウ状肉腫と呼ばれる腫瘍があることもあります。とりあえず病院に連れてきてあげてください。
初経から5、6年間、20歳頃まではホルモン分泌の調節が未熟なため、月経が不規則だったり、長く続いたり、量が多いことがあります。出血が持続する場合は、一時的な変化であっても治療が必要です。
年齢にかかわらず排卵期に出血がみられることがあります(中間期出血とか排卵出血と呼ばれます)が、この場合は異常ではありません。毎周期排卵の頃にだけ少量の出血がある場合は、経過をみて差し支えありません・
20-50歳頃に不正出血の原因になるのは、流産、子宮外妊娠、胞状奇胎、感染症(外陰膣炎や子宮頚管炎、子宮内膜炎など)、外傷、子宮腟部びらん、子宮頸管炎、子宮頚管ポリープ、子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜症のほか、がん(外陰がん、腟がん、子宮頚がん、子宮体がん、子宮肉腫など)があります。
閉経後には、閉経後は卵胞ホルモン(エストロゲン)が分泌されなくなるため、腟の自浄作用がなくなって感染しやすくなり(萎縮性腟炎)、出血することがあります。しかし、がんでも出血しますから、しかも、がんが増える年代ですから要注意です。子宮脱(性器脱)でも出血することがあります。
どの年代を通しても、性交渉で出血することがあります。性交渉による外傷でだけではなくがんでも出血します。
不正出血があったら、必ず病院に受診してください。
腹痛の原因は、実にさまざまです。痛みだけから、どの科に受診したらよいか、判らないことも多いですね。その場合は、内科に受診するのがまずお勧めです。必要がある場合は、外科や産婦人科に紹介して頂けるでしょう。
女性で下腹部痛がある場合は、まず産婦人科に受診されるのがよいでしょう。産婦人科の病気で下腹部痛がでるものとしては、 卵巣嚢腫の茎捻転や破裂、卵巣出血、流産、子宮外妊娠の破裂、子宮内膜症、子宮頚がん、子宮体がん、卵巣がん子宮筋腫、卵巣腫瘍、骨盤腹膜炎、卵管炎など多数があります。このうち、卵巣嚢腫の茎捻転や破裂、卵巣出血、流産、子宮外妊娠の破裂などは、緊急の処置や手術を必要とすることがあります。特に急におそってくる強い痛みの場合はまず産婦人科に受診したほうがよいでしょう。
これに対して、腰痛の場合は、産婦人科か整形外科の受診をお勧めします。婦人科の子宮筋腫や卵巣嚢腫で神経が圧迫されると腰痛が起こりそうな気がしますが、実際にその頻度は少ないように思います。例えば腰痛があって卵巣腫瘍があると、手術をして卵巣腫瘍を切除すると腰痛もよくなりそうな気がしますが、よくならないことも多いという意味です。もちろんよくなることもありますが、どのような場合によくなるかが、予測できません。腰痛は筋肉や靱帯、関節の捻挫によるぎっくり腰、椎間板ヘルニア、骨粗鬆症などの整形外科疾患でも起こりますし、原因がよくわからないことも少なくないようです。
月経の時に、下腹痛や腰痛を感じることはまれなことではありません。月経時の痛みを月経痛、痛みだけではなく嘔気や嘔吐なども含めて月経に伴って起こる痛みを中心とした症状が激しい場合にこれを月経困難症と呼びます。
月経の時に下腹部痛や腰痛が起こるのは子宮内膜(子宮の内側にある表面の膜)から出されるプロスタグランジンという物質が子宮を収縮させるからと考えられています。月経痛は排卵がある場合に起こりやすく、排卵をしていない場合は弱くなります。月経困難症の治療に経口避妊薬のピルを使うひとつの理由はここにあります。もちろん1か月のうち数日が大変なことが多いので、鎮痛剤を、それも早めに使われて構いません。鎮痛剤は、痛みがあまり強くなってしまうと、かえって効かなくなります。早めに服用した方が、薬の量が少なくて済み、また効果もそのほうがあることが多いのです。
月経痛や月経困難症が特に強い場合は、病院に受診した方がよいでしょう。子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫、子宮奇形などの病気があることがあるからです。
性交渉の時に痛みに悩まされる方は少なくありません。恥ずかしがらずに、相談されたらいかがでしょうか。
どんなときに痛みを感じるかは、痛みの原因を知る上で大切です。挿入し始めたときの痛みでしょうか、深く挿入されたときの痛みでしょうか、あるいはもちろんこのときと言えないような痛みがあることもあります。
閉経後には女性ホルモンである卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少し、腟内の潤滑がわるくなり、性交時の痛みが引き起こされます。水溶性の潤滑剤が薬局で発売されていますから、利用されるのも一法です。また、ホルモン補充療法が有効なこともあります。
外陰部や膣の炎症でも痛みが出ることがあります。
深く挿入されたときに痛いのは、子宮筋腫や子宮内膜症、子宮腺筋症でも起こります。
性交渉だけではなく、外陰部がとにかく痛いといわれる方もいます。何かが接触すると焼けるような痛みを訴えられる方もいます。原因がよくわからないこともありますが、治療法は進んできていています。自分だけの悩みと考えられず、ご相談ください。
妊娠中にお腹がはる場合は、流産や早産の症状のことがあります。痛みを伴っていないか、出血はないか、規則的に感じないかに注意してください。こうした症状元もなっている場合は、速やかに病院に受診することが大切です。
妊娠していない場合は、腸にガスがたまっていたり、便秘している場合もありますが、卵巣嚢腫や子宮筋腫がある場合もあります。病院に受診するひとつのサインと考えましょう。
腹部には、消化管、肝臓、脾臓、膵臓、腎臓、膀胱等の他、子宮や卵巣もあります。このそれぞれに腫瘍ができると、しこりとして触れます。また、腹壁や鼠径ヘルニアをしこりとして触れることもあります。また、癌などがあって腹壁などに転移した場合も、しこりとして触れます。いずれにしても腹部にしこりを触れるのは、病気の重要なサインである可能性が高いので、病院に受診されるようお勧めします。女性で、特に下腹部にしこりを触れる場合は、産婦人科にまず受診するようお勧めします。
いつ頃気付いたのか、その後増大してきているのかどうか、痛みがあるかどうか、排便や排尿、月経の状態などを問診されます。この問診と触診で病気を想定し(あるいは除外しなければならない疾患を念頭において)超音波検査やMRI、CT、血液検査、尿検査(時にはカテーテルで尿をとる導尿)などが行われます。
産婦人科から内科や外科、泌尿器科に紹介をされたり、逆の紹介を行われることもあります。
治療は、腫瘍の有無やその部位、原因によって異なってきます。
外陰部(腟や尿道の入り口の周囲)にしこりができることがあります。外陰部にはいくつかの分泌腺がありますが、そこに分泌液がたまってはれることがあります。バルトリン腺嚢胞はバルトリン腺に粘液がたまったものでは比較的よくあります。ここに感染が起こると急に増大して、座ることもできないぐらい痛くなります。
この他、脂肪腫、線維腫、毛嚢炎、外陰がんなどさまざまの病気で外陰部にしこりができます。
時には、子宮脱や膀胱脱で下がってきた子宮や膀胱をしこりと勘違いされる方もいます。しかし、この場合を含めて、外陰部に違和感を抱えたままでいることはあなたの活動範囲を狭めてしまうことになります。また、悪性の病気が隠れていることもあります。病院に受診されることが大切です。
女性の場合、月経周期でホルモンの分泌状態が大きく変化します。月経中からその直後にかけては卵巣からの女性ホルモン(エストロゲン)や黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が最も少ない時期です。その後、下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモン(FSH)によって卵巣が刺激され、排卵の頃になると卵子が入った卵胞は大きく成長し、エストロゲンも高値になります。このエストロゲンの作用を受けて今度は下垂体から排卵を指令する黄体化ホルモン(LH)が分泌され、卵胞は破裂して排卵が起こり、残った卵胞の殻から黄体ホルモンが分泌されるようになります。この黄体ホルモンが基礎体温を上昇させる作用を持っていますから、排卵後は基礎体温が上昇します。この時期、エストロゲンはやや低下しますがなお高い値をとっています。こうして排卵から2週間程度たった頃になると、エストロゲンもプロゲステロンも急速に低下しますが、この低下によって引き起こされるのが月経です。
排卵の前2週間ぐらいは、特にプロゲステロンが高い値をとっており、このプロゲステロンによって(あるいはエストロゲンの作用も相まって)、むくむ、体重が増える、乳房が緊満する、食欲不振、いらいら、不安感、気分の落ち込み、集中力の低下、頭痛、嘔気、嘔吐などさまざまの症状が起こってきます。これを月経前症候群(premenstrual
syndrome:PMS)と呼びます。
本人にしか判らない症状で、周りの人からは違和感を持ってみられてしまう厄介な状態です。一人で悩まないで病院で相談してみるのがよいでしょう。
アルコールや塩分を控える、何らかの方法で気分転換を図る等の他、利尿剤、向精神薬、ピル、漢方薬などが有効なことがあります。医師と相談しながら試されるとよいでしょう。
おりものの色や量にはかなりの個人差があります。また、感じ方にも個人差があります。さらに月経の時期によっても異なります。一般には排卵の前に増加します。こうしたいわば“生理的変化”以外に、(外陰)腟炎のような炎症によっておりものが増加することもあります。おりものの量は内分泌(ホルモン)環境によって変化しますから、ホルモン剤を服用しているとおりものが増加することもあります。出血なのかおりものが増加しただけなのか区別がつかないこともあります。つまり、がんやポリープ、子宮筋腫(特に粘膜下筋腫)などが関係していることもあります。
一度病院に受診されて、きちんと調べてもらった方がよいでしょう。腟内の細菌検査やがん検査、超音波検査などが行われます。薬の服用についても聞かれるでしょう。
外陰部のかゆみや不快感の多くは外陰(膣)炎によって起こってきます。つまり感染症(カンジダと呼ばれるかびやトリコモナス、そのほか細菌でも起こります)や石けん、下着などに対するかぶれ(皮膚炎)で起こることが多いのですが、外陰部の強いかゆみを訴えられるにもかかわらず特別な病変が見つからない場合もあります。外陰部の悪性腫瘍によってかゆみがでることもあります。更年期以降になると女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が低下し、膣や外陰部の粘膜が萎縮し、かゆみを訴えられる方もいます。
外陰部のかゆみはあなただけの悩みではありません。恥ずかしがらないで病院に受診してください。
子どもができない
妊娠を希望しながら、1年以上(30歳前後以下の場合は2年間以上でも構いません)子どもさんができない場合や、もともと月経不順がある場合、婦人科の手術歴がある場合、子宮内膜症と診断されている場合などは、早めに病院に受診されるようお勧めします。
もちろん病院に受診されても、もう少し経過を見てもよいのではないかと考えられる場合もあります。その場合は、そのようにアドバイスさせて頂きます。
不妊治療に関する詳しい情報は、生殖医療のコーナーをご覧ください。
流産や死産を繰り返すのは、とても悲しいことですね。2回以上こうした経験をされた方は、病院に受診されるようお勧めします。その原因や治療に関する詳しい情報は、生殖医療のコーナーをご覧ください。