女性のからだの仕組み
人間のからだ

ひとも動物ですから、動物と同じ体の機能があります。一つは、個体として生きていくための複合体としての機能、もう一つは人間という種を保存するための機能です。もちろんひとには、動物とは違う「考える」「悩む」「生きがいを感じる」といった特性もあります。こうした動物とは違う「考える」「悩む」「生きがいを感じる」のような特性が、個体保存、種の保存といった機能に影響を与えているというのも人間の特徴です。

このHPでは女性の心の問題についても触れていますが、ここでは種の保存のために必要な器官である子宮や卵巣がどうなっているのかについて触れます。
子宮や卵巣の位置

子宮や卵巣は骨盤内の中央に位置しています。前(お腹側)には膀胱、後(背中側)には直腸があります。子宮や卵巣、卵管は腹腔の壁から中に飛び出すようにあります。
卵巣や卵管は子宮の真横にあるのではなく、やや後方にあります。
卵管は、子宮側から、子宮の壁を貫く「間質部」、その横の卵管では最も細い「間質部」、太い「膨大部」、そしていわゆるラッパ管と呼ばれる「卵管采」からできあがっています。

子宮は上部が子宮体部、膣に近い方が子宮腟部と呼ばれます。

子宮内腔は、子宮内膜で覆われています。ここは円柱上皮と言われる上皮で覆われています。膣の上皮は皮膚と同じ扁平上皮です。この両方の上皮の境目は右図で子宮腟部と書かれた部分にあります。
右の図は、子宮や卵巣の大きさを書いたものです。普段50-60gの子宮に、妊娠末期になると3000g(それ以外に胎盤や羊水で500-1000g)の胎児が入るのですから驚異的ですね。まさに神秘的。
子宮や膣と、膀胱、尿道、それから直腸の関係を右図にしめしました。子宮の手術を受けると稀に膀胱や直腸、尿管を傷つけることがあるのは、これらの臓器がすぐ近くにあるからです。
外陰部を図示したものです。
子宮や卵巣をお腹の中からみると(腹腔鏡からのぞく)

子宮や卵巣の手術の説明をしていると、「子宮をとると卵巣はお腹の中をぐるぐる回るのではないか」といった質問を受けます。上の図も卵巣がお腹の壁に固定されていないように描かれていますから、無理もない誤解です。

腹腔鏡という、検査や手術のための内視鏡(右図)があるのですが、それからみるとどんな風に見えるかをお示ししましょう。そうすれば子宮や卵管、卵巣が腹腔内にどのようにあるかが理解できると思います。

腹腔鏡で、子宮や両側の卵巣、卵管をみたところです。写真の上の方がお腹側、下の方が背中側になります。子宮や卵巣、卵管が腹腔の壁にくっついているのが判ります。
右側の卵巣を中心にみているところです。排卵は、この白く見える卵巣の表面から腹腔内に向けて起こります。卵子はこの写真に写らないような小さなものです。それが卵管に取り込まれるためには、排卵する卵巣の表面に卵管采が待っている必要があります。
腹腔鏡で見たところを模式的に描いたものです。上の写真と比較してください。
男性のからだのしくみ

右は男性のからだを図示したものです。女性に比べて図も説明も貧弱なのは、私が産婦人科医だからです。