妊娠のFAQ
FAQというのはFrequently Asked Questionsの略です。つまり、ここでは外来などでしばしば質問されることについてお答えします。書かれているのは私の意見なので、異なる意見があり得ることはご理解ください。
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妊娠中の過ごし方
Q:妊娠中です。海外旅行に出かけたいのですが、構いませんか。
Q:妊娠中です。温泉に行きたいのですが構いませんか。
Q:普段からジョギングしていました。妊娠中も継続して構いませんか。
Q:妊娠中です。運動不足になりがちなのですが、お勧めの運動はありますか。
Q:腹帯はまいた方がいいのですか。
Q:妊娠線ができるのを防ぐことはできますか。
Q:歯が痛いのですが、抜歯して構いませんか。
Q:歯科に受診した方がいいですか。
Q:パーマをしても構いませんか。
Q:妊娠中は性生活は控えた方がいいですか。
妊娠中のさまざまな症状
妊娠中の検査
超音波検査
Q:脈絡膜嚢胞(choroid plexus cysts:CPC)というのは何ですか。
妊娠中の病気
出生前診断

妊娠中の過ごし方
Q:妊娠中です。海外旅行に出かけたいのですが、構いませんか。

A:旅行は、妊娠中期の比較的安定している時期を選び、当然ですが、流産のおきやすい時期(妊娠4か月まで)や分娩間際(妊娠9か月以降)は避けた方がよいでしょう。また、もちろん、医師から切迫早産などの理由で、安静を指示されているときはやめましょう。

それ以外の場合は、旅行されることそのものは何の問題もありません。飛行機に乗っても構いませんし、汽車でも、バスでも構いません。ただし、飛行機は、妊娠週数により医師の診断書が必要であったり、搭乗制限があります。事前に航空会社に確認しておきましょう。

ただ、妊娠中は出血したり、時には破水したり、突然の変化が起こることがあります。そのときに対応できるように準備して出かけてください。具体的には、一人では出かけない、緊急の場合に医療施設があることを確認しておくなどです。また、ツアーなどは避け、余裕があるスケジュールを組んでください。

国内の場合や、外国でも日本語が話せる医師がいる場合は母子手帳を持っていきましょう。

Q:妊娠中です。温泉に行きたいのですが構いませんか。

A:構いません。

ただ、温泉によっては、妊娠初期や分娩間近の妊婦さんの入浴をやめるよう掲示してあるところがたくさんあります。温泉に行く計画を立てる前に、温泉に問い合わせ確認してください。

温泉では、滑りやすいので注意してください。また、高温の温泉に長く入ったり、繰り返し入るのはやめてください。サウナもだめです。

Q:普段からジョギングしていました。妊娠中も継続して構いませんか。

A:普段からされていたのであれば、継続されて構いません。

Q:妊娠中です。運動不足になりがちなのですが、お勧めの運動はありますか。

A:適度な運動は、分娩のための体力作りにも、楽しく毎日を過ごすためにも、ストレス解消にも大切です。

一番手軽な運動は、歩くことです。1日30分ぐらいは歩きたいですね。

仲間を作りながら運動したいという方にはマタニティースイミング、マタニティービクスもいいですね。これらは、医師の診断書が必要な場合もあります。適切な指導者がいる施設で行いましょう。足がむくんでしまってという方には、マタニティースイミングがお勧めです。

お勧めできないのは、素早い方向転換や体重移動、激しい振動があったり事故が起こりやすい運動(乗馬、登山、スキーなど)、また誰かと競い合うような運動(ゴルフ、テニスなど)です。

Q:腹帯はまいた方がいいのですか。

A:医学的には腹帯をまかなくても何の問題もありません。

妊娠中に腹帯をする習慣は日本だけと言われています。お産の軽い「犬」にあやかり、お腹が大きくなってくる、妊娠5カ月の「犬の日」に腹帯を巻くとよいという風習によるものです。腹帯は、下腹部を支えてくれるため安定感があったり、腰痛が軽減することもあるという効果もありますが、妊婦用ガードルでも同じ効果があります。妊婦用ガードルには、ガードルタイプ、コルセットタイプなどがありますが、用途や好みに合わせて選んでください。

腹帯をしたら巨大児になるのを防ぐことができるとか、骨盤位にならなくてすむとか、そんな効果はありません。

Q:妊娠線ができるのを防ぐことはできますか。

A:予防クリームの使用やマッサージもありますが、これらが本当に効果的かどうか不明です。

妊娠線はお腹が大きくなるにつれて、皮下組織があまりのびずに断裂してできます。急激に太った方にできやすいので、体重をコントロールすることは妊娠線の予防につながります。でも、体質も関係します。

一旦妊娠線ができると生涯消えませんが、色はしだいに薄くなり目立たなくなります。

Q:歯が痛いのですが、抜歯して構いませんか。

A:抜歯に使われる局所麻酔剤は、妊娠中に使われても問題ありません。また、抗生物質として一般に使われるセフェム系やペニシリン系の抗生物質も問題はありません。痛み止めも、アセトアミノフェンであれば妊娠のどの時期でも安心して使えます。

ですから、妊娠していることをお話になって、必要があれば抜歯してもらってください。

Q:歯科に受診した方がいいですか。

A:妊娠中はホルモンの影響で毛細血管が充血しているため、歯茎から出血しやすくなっています。口の中を清潔にしておくことが大切です。痛むときは歯周囲炎の可能性もあるので、歯科の受診も考えましょう。歯周囲炎は早産の遠因になる可能性があります。

また、唾液の分泌が増え口の中が酸性に傾き、虫歯になりやすいともいわれています。

虫歯や歯肉炎があるときは、痛みがなくても体調の安定している時期に、あらかじめ治療しておいたほうがいいでしょう。

Q:パーマをしても構いませんか。

A:どちらかといえばあまりお勧めできません。妊娠中の皮膚は、ちょっとしたことでかぶれやすくなっています。ヘアカラーなどは避けた方がいいと思います。また、においや同じ姿勢でいることで気分不快になることが多くなります。

手入れのしやすいスタイルに変更した方がいいと思います。
Q:妊娠中は性生活は控えた方がいいですか。

A:妊娠中も夫婦のスキンシップは大切です。もちろん性生活を避ける必要はありません。

過去に流産・早産の経験がある、または今回その症状(出血やお腹の痛みなど)がある場合には医師に相談してください。また、あまり無理な体位での性交渉は避けた方がいいでしょう。

妊娠中のさまざまな症状
妊娠中の検査
超音波検査
Q:脈絡膜嚢胞(choroid plexus cysts:CPC)というのは何ですか。

A:脈絡膜というのは、脳脊髄液を作っている組織を指します。この部分に液体が貯留しているように見えるのが脈絡膜嚢胞です。妊娠中期の赤ちゃんの100人に1人にみられ、片側の脈絡膜にあることも両側にあることもあります。多くの場合24-26週に自然に消失しますが、健康な新生児にも大人にも見られることがあるとされています。

脈絡膜嚢胞それ自体は異常ではありません。赤ちゃんの健康状態とも何の関係もありません。

しかし、18トリソミー(18番目の染色体が1本多い染色体異常)と関係があるのではないかという報告があります。このため、脈絡膜嚢胞があると羊水染色体分析を検討した方がよいという意見もあったのですが、最近では超音波断層法検査で他に異常がなければ、18トリソミーである可能性は1%以下である(つまり99%以上18トリソミーではない)と考えられるようになりました。

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