| 手術の種類と選択 | ||||
Q:手術の話は怖いので、自分では聞きたくありません。自分は席を外し、家族に聞いてもらっても構いませんか? A:手術の説明を誰にするかは、手術を受けられるあなたが決めることですから、もちろんあなたが席を外して家族だけに聞いてもらっても構いません。 しかし、お勧めはできません。怖い気持ちも分かります。でも、自分の知らないところで手術が進められる方がもっと怖くはありませんか。怖いという一時的な気持も判りますが、おそらくきちんと説明を受けた方が、怖さは軽減されると思います。 手術では予期しないことが起こる可能性があります。そのときあなたは麻酔がかかって寝ているわけですから、執刀医が「あなたならこう希望されるだろう」ということを考えながら手術の方針を変更します。ですから、執刀医としては手術の前にあなたの気持ちや考えを十分に理解しておきたいのです。あなたに十分説明できないと、あなたの気持やお考えも執刀医に伝わらないことになります。 ですから、できるだけあなた自身に手術についてよく分かって欲しいと思っています。 |
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| Q:妻が手術を勧められているようです。主治医から妻には言えないことがあるかも知れないので、内緒で自分だけで話を聞きたいのですが。 A:手術を受けられる当事者の奥様には全てをお話ししています。たとえご主人であっても、奥様に内緒でお話しすることはできません。もちろんご心配だと思いますので、奥様と一緒においでください。 |
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| Q:腹腔鏡で手術する方法と開腹してする方法があると言われました。どちらがいいですか? A:腹腔鏡というのは右上の二つの図のように、お臍の周辺に入れた内視鏡からのぞきながら(実際にはモニターといわれるテレビ画面に映し出して)、鉗子やはさみを使って手術をするものです。 これに対して、右下の図は開腹して手術を行っているところです。 どちらも、お腹の中の手術という意味で、開腹していることに変わりはありません。 しかし、大きな違いは腹壁の傷の大きさが違うという点です。もちろん腹腔鏡の方が小さく、したがって術後の痛みも少なく、早く退院ができます。さらに開腹した方が腸や子宮に触れることが多くなり、一般的に癒着も起こりやすくなります。 しかし、腹腔鏡では鉗子を使って手術をするために、細かい操作を素早くすることはできません。巨峰という果物があります。巨峰の皮を手でむくのはすぐできますね。でもナイフとフォークでむくとすれば大変です。開腹手術と腹腔鏡下手術はこれと同じような違いがあります。もちろん、腹腔鏡下手術の担当医はナイフとフォークで巨峰をむくような訓練はしています。それでもどんなにがんばっても、手でむいた方が早いだろうことはおわかりいただけると思います。つまり、細かい操作を素早くする必要がある場合は、開腹して行う方が安全かつ確実です。 当然のことですが、手術には安全性が求められます。また、たとえ話で申し訳ないのですが、車を運転している時を想像してください。周囲がよく見えているというのは安全運転に大切なことですね。見えている範囲を手術(医学)用語で『視野』といいます。腹腔鏡に比較して開腹した方が一般に視野はよいのです。また、腹腔鏡下手術では鉗子を介して操作するために、手で触ると判る『硬い』『軟らかい』といった触覚が判らなくなるのも欠点です。 卵巣がんの可能性がある卵巣腫瘍の場合も、腹腔鏡下手術はお勧めできません。腹腔鏡下手術では、嚢腫の内容物が手術中に漏れ出す可能性が大きいので、がん細胞をお腹の中にまいてしまう可能性があるからです。 このように、腹腔鏡下手術と開腹手術にはそれぞれ一長一短があります。それぞれの方の病状によって、この一長一短がどのような影響を及ぼすかは異なりますから、主治医とよく相談されることが大切です。 どちらでも同程度のメリットとリスクがあるのなら、腹腔鏡下手術を選択されたらどうでしょうか。やはり、傷は小さい方がいいし、術後の痛みも少ない方がいいからです。ただし、手術の安全性や確実性のために開腹する必要がある場合は、開腹することの同意は予めいただくことになります。 |
![]() 腹腔鏡の模式図 ![]() 腹腔鏡で卵巣嚢腫を核出しているところ ![]() 開腹して手術をしているところ |
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| Q:大きな卵巣腫瘍といわれました。薬では治らないのですか? A:手術は誰も受けたくないですね。薬で治らないかというお気持ちは判りますが、残念ながら薬で卵巣腫瘍が治ったという報告はありません。 |
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| 入院と手術の経過 | ||||
| Q:手術には家族が立ち会わないといけないのですか。 A:そんなことはありません。手術を受けられる方が十分な説明を受け同意をして頂ければ(インフォームド・コンセントと言います)手術を行うことはできます。 もちろん家族に立ち会って頂いても構いません。どうするかは手術を受けられるあなた自身が決めることです。家族にも説明をしたほうがよければ、その旨、主治医にお話ください。家族にも説明いたします。説明をする範囲(誰に説明をするか)もあなた自身が決めて頂いて構いません。あなただけであっても構いませんし、あなたの友人の方がよいのであればそれでも構いません。 ある程度の手術を行っている病院であれば、完全看護のことが多いので、術後自分で動けない場合でも、付き添いがいなくても構いません。 |
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Q:手術は何人ぐらいでするのですか。 A:病院や手術の種類によって異なります。 私の病院の場合、一般的な開腹して行う子宮全摘術では、術者(執刀医)、第一助手(医師)、麻酔科医、器械だし看護師(滅菌された術衣を着て手術の器具などの補助を行う看護師)、外回り看護師(手術室の中で手術、麻酔器具などの補助を行う看護師)の5人が、手術中に手術室の中にいる最少の人員です。それ以外に、手術の第二助手、第三助手がいることも、複数の麻酔科医が担当することもあります。 これ以外に、手術室には、手術後の回復室(リカバリールームと呼ばれます)担当の医師、看護師、手術器具の準備や消毒の担当者、手術室の片づけや清掃、消毒の担当者、受付、家族のための担当者などがいます。 ある程度以上の病院になると、この他、手術室全体の流れを担当するものや、複雑な手術機器を管理、整備する専門家も働いています。 手術室というのは、実にたくさんの専門職の人たちが患者さんのためにチームワークを組んで働いているところです。 |
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Q:手術は何時間ぐらいかかりますか。 A:予想される手術の時間は、術式(どんな手術をするか)でまずおよそ決まります。例えば、帝王切開なら1時間、開腹して行う子宮全摘術なら2時間、腹腔鏡下の卵巣嚢腫核出術だと1時間半程度、広汎性子宮全摘術なら5時間程度です。 さらに、病気の程度(例えば筋腫の大きさや個数、がんの進行度など)や患者さんの状態(肥満や癒着の程度など)に影響されます。 予想される具体的な手術時間は手術の前に個々に説明されます。ただし、お腹を開けたところ予想と違って、癒着がひどかったり、良性と考えていたところ悪性(癌)であったり、当初より悪性(癌)と言われていても予想より拡がっていたりすると時間が長くなることがあります。また、手術中に予期できないこと(合併症など)がおきて長くかかることもあります。 手術が終わるのを待つ間、家族の方は心配ですね。 |
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Q:太っていますが、手術は大丈夫ですか? A:太っていると脂肪の厚みのために手術をする部位が深くなり手術がやりにくくなります。このため手術時間が長くなり、傷も大きくなり、手術中のトラブルも増え、出血量も増加します。 また、手術後は厚い脂肪層のために傷が治りにくくなり、抜糸が遅れたり、抜糸後に傷が開くこともあります。また、太っている方には糖尿病や高血圧などの合併症が多いだけではなく、静脈血栓症が起こりやすく危険なことがあります。 しかし、手術が目前に迫ってからダイエットしても仕方がないですね。大切なことは、医師や看護師の指示に従って手術後の早い時期から体を動かすことです。こうすれば、静脈血栓症になりにくくなり、傷の回復も促進されます。安静にしていても傷がつきやすくなるわけではありません。 |
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Q:入院してから風邪をひいたみたいです。熱がありますが、大丈夫ですか? A:少しの風邪や熱では問題のないことも多いのですが、手術によって風邪や熱が悪化したり、手術後の経過に影響を及ぼすことがあります。このため場合によっては手術を延期することがあります。風邪をひいたり熱が出た場合には早めにご相談下さい。 |
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Q:手術が生理中に当たりそうですが 、大丈夫ですか? A:一般的には月経中でも手術は可能です。しかし、手術の内容によっては、出来れば月経中は避けた方が良い場合もあります。手術が月経にあたるようでしたら、担当医にご相談下さい。 一般的に、子宮鏡下手術は月経中は全く不可能です。子宮筋腫核出術も、できれば避けた方がいいでしょう。 |
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Q:手術後何ヶ月ぐらいたったら妊娠してかまいませんか。 A:子宮筋腫核出術、卵巣嚢腫核出術、卵管形成術などの手術後、2回月経があれば妊娠してかまいません。2回月経があるというと、実際には術後1ヶ月から2ヶ月になります。性交渉も術後1ヶ月ぐらいたてばかまいません。 術後どの程度妊娠しないようにしたら良いか、産婦人科医が一致した意見を持っているわけでも、根拠があるデータがあるわけでもありません。長い場合は半年後と言われることもあるようです。しかしこれが間違いであるというデータもありません。私は2回月経があれば、といっていますが、「すぐ妊娠してもいいのでは」という意見もあります。しかし、開腹手術後2週間や3週間で性交渉を持つのも大変かなと思います。そこで、2回月経があれば、と説明をさせて頂いています。 |
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| 麻酔 | ||||
| Q:どんな麻酔で手術するのですか?
A:手術の症例がある程度以上ある病院では、手術室で行う手術の麻酔や手術中の全身管理は、麻酔科の専門医が担当します。 |
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| 輸血、自己血輸血、特定生物製剤 | ||||
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Q:輸血が必要かも知れないと言われました。必要ですか? |
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| Q:自己血輸血を勧められました。自己血輸血ってなんですか? A:ご自分の手術の際の出血に備えて、自分自身の血液をためておく(貯血しておく)ことです。 ご自分の血液ですので輸血による感染などの副作用の心配はありません。採血による貧血を防止するために造血剤(鉄剤)を服用したり、注射しながら1回200−400ccずつ採取します。 自己血輸血を受けるには、もともと貧血など合併症がない、手術までに時間的ゆとりがあるなど、多少の制約があります。また、あらかじめ輸血の可能性が高い(数%以上ある)と判断される場合にしか実施できません。 |
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| Q:特定生物由来製剤を使うかも知れないと言われました。特定生物由来製剤というのはなんですか? A:特定生物由来製剤というのは、血液凝固因子、人血清アルブミン、人免疫グロブリン、輸血用血液のような血液製剤や、人胎盤抽出物など感染症の発生リスクがある程度想定される製剤です。 産婦人科で比較的よく使われるものとしては、タココンブ、アビテン、フィブリン糊などと呼ばれる止血作用のある生物製剤があります。 どんな手術でも、出血を止める(止血といいます)操作はとても大切です。止血は一般的には、糸で縛ったり、電気で凝固して行われます。しかし癒着がひどく広い範囲を剥離したような場合や骨盤の深い部分で出血したような場合、腹腔鏡下手術で細かい止血操作が困難な場合は、これらの特定生物由来製剤を使うことがあります。もちろん、どうしても必要な場合に限って用います。 特定生物由来製剤を使う可能性がある場合は、手術の前に説明をし、患者さんの同意を得ます。また、使った(1)製品名、(2)製造番号(ロット番号)、(3)患者の氏名、住所、(4)投与日などは、20年間保管されることになります。 |
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| 手術の傷 | ||||
Q:お腹を横に切って欲しいのですが? A:お腹をどのように切開するかは、患者さんの希望の他に、病気の種類とその程度、肥満度なども考慮してご相談の上、決めることになります。 下腹部を横に切開する方法は、縦の切開に比較して目立たないために美容上は優れています。また、同じ大きさの場合、術後の痛みがやや軽いようです。 しかし、手術後に皮膚の下に血が溜まったり(皮下血腫)、お腹を縦に通っている神経が切れるため、お腹の皮膚に違和感が残るなどの欠点があります。さらに横の傷は大きさが限られるために、十分によく見える状態で手術が出来なくなったり、手術がやりにくく時間がかかったりします。また、将来、開腹手術が予測される場合は、繰り返し横に切っていると次第にやりにくくなります。例えば、子宮内腔に近い部位の子宮筋腫核出術で、将来帝王切開が予測されるような場合です。 また、子宮がんや卵巣がんでリンパ節を廓清したり、大網(お腹の中にエプロンのようにある脂肪組織です)を切除するような場合は、縦に切開しないと手術がかなり難しくなります。 子宮筋腫核出術や子宮全摘術の場合、私自身は4-7cm(多くは5-6cm)のお臍の下の縦切開で手術をするようお勧めしています。大きな子宮筋腫や多発の子宮筋腫で腹腔鏡下手術が不可能な場合は、この傷から子宮筋腫を小さくばらばらに切りながら出して手術をします。小さいので傷跡もあまり目立ちません。この場合は、縦に切らないと(つまり横に切開すると)傷が大きくなってしまいます。縦に切った方が傷そのものが上下に動きやすいので、大きな筋腫でも小さな傷から手術可能になります。 もちろん美容上の問題も大切です。同時に、安全に確実な手術を行うことも大切です。この二つをどうバランスをとるか、手術の前によく相談をさせて頂きます。 |
![]() 横の切開と縦の切開 ![]() 大きな筋腫は横切開では手術が難しくなります ![]() 卵巣がんや子宮がんでは切開をお臍の上まで延長することがあります |
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Q:ケロイドができやすい体質です。大丈夫でしょうか? A:傷が治って変化しない状態になるまで、数か月から数年かかります。この期間の傷は刺激を受けやすく、特に張力(傷口を押し広げるように働く力です)がかかると傷口が盛り上がってくることがあります。これは肥厚性瘢痕とかケロイドと呼ばれます。 肥厚性瘢痕とケロイドの区別は医学的にも明確でありません。ここでは創部の不快な盛り上がりを一括して肥厚性瘢痕と呼びます。下腹部は肥厚性瘢痕ができやすい部位です。これは、下腹部の方が張力がかかりやすいためと考えられています。また、術後体重が増加した方に肥厚性瘢痕ができやすい傾向があります。これも張力がかかりやすいためと考えられています。 私達は肥厚性瘢痕の防止を目的として、創部に緊張がかからないような縫合法を採用したり、低刺激性のテープで退院後も創部の緊張を取るよう指導させて頂くなど工夫を行っていますが、それでも肥厚性瘢痕を完全に防止することはできません。 術後数か月(2か月頃からが多いようです)たって、傷に赤みがでたり痒みがでる場合は、担当医にご相談をください。肥厚性瘢痕の発生を抑える作用のある内服薬を服用したり、特殊なテープやシートで創部を処置することが有効なことがあります。なおこれらの創傷処置製品の中には健康保険の適応がないものがあります。 また、瘢痕部を切除して再縫合することが有効な場合もあります。このような場合は形成外科に紹介いたします。 |
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Q:傷口が盛り上がりやすい体質なのですが、自分でできる対策はありますか。 A:手術をする前に、傷口が盛り上がりやすい体質であることを、担当医にご説明ください。それに応じて多くの場合、肥厚性瘢痕ができにくい縫合法などを検討するはずです。 私自身はほとんどの場合、皮膚の表面に糸は使わず、吸収糸(自然にとける糸)で、皮下を縫合しています(皮下埋没縫合)。表面はテープでとめています。したがって抜糸はありません。 このテープは、数週間で次第にはがれます。はがれてきたら、傷跡にたまった古い血液やゴミを取り除いて頂き(シャワーやお風呂で構いません、よほど強い力を加えないと傷が開いたりはしません)、テープ(マイクロポアや優肌絆ゆうきばんなどです。自費です。薬局でご購入ください)を、3cm程度の長さに切って、傷を合わせるようにまた傷に直角になるように貼ってください。できればできれば面倒でも1年ぐらい貼って頂いた方がよいでしょう。 かぶれたりすることがなければ、このテープは3-7日に1回、入浴の際などに張り替えてください。 もし、2-3か月たって、傷跡に赤みが出てきたりかゆみが出てくる場合は、病院に受診してください。ステロイドの入ったテープ(ドレニゾンテープなど)や肥厚性瘢痕を押さえる内服薬(リザベンなど)を処方することがあります(保険が使えます)。 肥厚性瘢痕ができあがってしまったら(成熟瘢痕といいます)、上記の方法ではよくなりません。傷跡が盛り上がって硬くなり、色も暗褐色になってきたら成熟瘢痕の状態です。 この状態になった場合は、シリコン(ゲル)シート(商品名はFシート、シカケアー、トリポロン、クリニセルなどです)が有効です。ケロイド・肥厚性瘢痕の症状改善に有効としてFDA(アメリカ食品・医薬品局)でも認可されています。保険は使えませんので薬局、インターネットなどで購入して頂くことになります。これで、肥厚性瘢痕を圧迫し続けると、次第に平坦化することができます。 |
![]() 傷跡の変化 シリコンシートのFシートを私の手に貼ったものです |
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| 合併症、副作用 | ||||
| Q:開腹手術を受けた場合、どんな合併症や副作用が予測されますか? 手術後、早期に起こるものと時間がたってから起こるものがあります。以下に書いてあるのは、開腹手術に関するものです。 手術後早期(1週間程度以内)に起こるもの <痛み> 手術後麻酔が切れてから、痛みがあります。手術後、24時間程度までは痛みが強いので、その間、硬膜外麻酔など手術の時に使った麻酔用のチューブから麻酔薬を流し続け、痛みを取る方法があります。これによって、術後の痛みはずいぶん軽減されます。 開腹手術では、一般に術後2−3日間は特に夜間38度前後までの発熱がみられます。これは手術そのものによる発熱で、正常な手術後の経過です。 <傷が開く> まれに腹壁の傷が開くことがあります。 <腹腔内に出血する> 通常、手術後48−72時間位は腸管の運動が低下します。これは長時間の腸管露出などの手術操作に加え、麻酔薬・鎮痛薬の使用、水分・電解質のバランス異常などによるものです。 |
![]() 膀胱も直腸も子宮に隣接しています。癒着などがあると膀胱や尿管、直腸を損傷することがあります。 ![]() 骨盤リンパ節や大動脈リンパ節を廓清すると足がむくみやすくなります |
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Q:手術をすると癒着が起こる可能性があるといわれました。癒着というのは何ですか。 A:本来くっついていないもの同士がくっつくことを癒着といいます。人間の体は、傷ができるとくっついて治ります。お腹の傷が治るのも、手のけがが治るのもくっついて治ります。開腹手術をすると、お腹の中にも大きな傷や小さな傷がたくさんできます。もともと、くっついているところがくっつくのはよいのですが、しばしば本来くっついていないものがくっつきます。例えば、腸と子宮とか、卵管と卵巣とかがくっつきます。これが癒着というわけです。 手術をすると癒着がしばしば起こりますが、実際にそれが問題になることは稀です。この稀に問題になる場合として、腸閉塞の原因になったり、不妊の原因になることがあげられます。 ですから癒着は起こらなければ、その方がよいことになります。手術の時には癒着を起こさないために、さまざまの工夫をし、また注意を払います。では、十分に注意を払うと癒着が完全に防止できるかというとそうではありません。残念ながら癒着が起こることはあります。 手術の後、早く歩行を開始することは、腸の活動を高め、癒着を防止する効果があります。手術の後で大変だとは思いますが、どんどん歩くようにお勧めする一つの理由はここにあります。 |
![]() ザクロの実は美しいですね。本文とは無関係です。 |
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Q:子宮全摘術を予定しています。更年期障害になるのではないかと心配です。 A:子宮は、ホルモンを分泌する器官ではありません。卵巣を一緒に切除しない限り、ホルモン的には更年期障害が起こることはありません。 しかし、子宮を切除したという心理的な圧迫が更年期障害の誘因になる可能性はあります。子宮をとったからといって、女性でなくなったり、中性になるわけではありません。今まで以上に女性らしく生きることで、更年期障害になるのではという不安も克服できるでしょう。 |
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