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| 染色体と遺伝子 |
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遺伝ってなに?
ひとは、もともと1個の受精卵が分割、増殖してできたものです。成人はおよそ60兆個の細胞からできあがっているそうです(私が数えたわけではないです、数えたにしろ計算したにしろ、辛抱強いひとがいますね)。
それぞれの細胞は特定の機能を持った集団(組織:例えば子宮内膜は「組織」にあたります)を構成し、さらに組織は器官(例えば、子宮は「器官」です)を形成し、それが機能的に配置されたものが「ひと」ということになります。
さてもともと1個の受精卵に含まれていた様々の情報(これが遺伝情報です)は、身体を構成するすべての細胞に伝えられ、それぞれその機能を発現します。もちろん、1個の受精卵に含まれていた情報は親から子どもへも伝えられたものです。親から子ども、細胞から細胞への情報伝達、さらにその情報がどのように発現していくか、これを研究するのが遺伝学geneticsです。その対象になっているものはすべて「遺伝」です。
「遺伝」というと「親から子どもへ」という概念でとらえられがちです。しかし、遺伝学はもっと広い分野が研究対象です。そして遺伝の専門家は、そのすべてを遺伝と呼びます。
「親から子どもへ」という概念が強い言葉として、英語にはheredityとかinheritanceという言葉があり、geneticsとはやや異なる概念です。しかし、日本ではどちらも「遺伝」と呼ばれます。これが誤解の根源かも知れませんね。
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中学生になったつもりで勉強し直しましょう。えっつ、君は現役中学生?!君も勉強しなくちゃね。 |
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遺伝子ってなに?
親から子ども、細胞から細胞への情報伝達を行っているのが遺伝子です。
遺伝子を構成する塩基はA(アデニンadenine),T(チミンthymine),G(グアニンguanine),C(シトシンcytosine)の4種類があり、塩基3つが組になって、タンパク質の構成成分であるアミノ酸を決めています(だんだん難しくなってきました)。
ちょっとねじれた梯子を想像してください。足を置くのに相当する場所は、A、T、G、Cという塩基が片側からつきだし、反対側からもA、T、G、Cがつきだしています。足を置く部分の真ん中でこのA、T、G、Cが互いに手を握りあって結合しているのですが、AはTとしか、またGはCとしか対応しません。こうしておくと複製する場合に同じものができるのです。A、T、G、C等の並び方を塩基配列といいます。この塩基配列がmRNA(メッセンジャー・アール・エヌ・エーと読みます)に転写されて、最終的にはそれからアミノ酸が作られます。
さて、この梯子状のものを二本鎖DNAと呼びます。このDNAの直径は約2nm(ナノ・メートル)です。これが、糸巻き状に巻かれたり折りたたまれてコンパクトにパッキングされたものが染色体です。1番染色体に入っている二本鎖DNAの長さは8.5cmあるそうですから、だいたい長さにして1/10,000にパッキングされたものが染色体ということになります。
細胞には核があります。その核にDNAが詰まっていますが、細胞核の大きさは直径10μmといわれています。また、体細胞に含まれるDNAを太さ約2nmで、にょろにょろとのばしていくと、だいたい2mになるんだそうです。つまり直径10μmの核に2mの長さのDNAが詰まっています。
たいしたことはなさそうですね。でも念のために計算してみましょう。10μmに2mというと、1μmが1/1,000mmだから10μmは0.01mm、たとえるためにこれを1cmにするには、1,000倍すればいいですね。つまり、1cmのボールの中に2,000m、つまり2kmの糸が入っていることになります。これはすごい。詰めるだけなら詰まりそうですが、絡んで大変になりそうですね。
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nmはナノ・メートルと呼びます。メートルと言われるとなんか大きそうですね。
でもどっこい、とても小さい長さなのです。
1/1000,000,000がナノの単位です。1/1000メートルは1mm(ミリ・メートル)ですね。1mmの1/1000,000の長さが1nmです。
ちなみに1mmの1/1,000は1μmです。
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染色体とは?
詳しいことは、下の写真を見ながら考えてください。
そのほうが判りやすいです。さて、ヒトの染色体数が46本であると判ったのは1956年のことです(Tjio&Levan)。1960年には研究者たちがあつまってヒト体細胞染色体の命名法の標準システムが提案されました(Denver
Conference)。
1976年からは、染色体の命名法に関する国際常置委員会が設置つくられ、何年かに1回”An International System for Human Cytogenetic
Nomenclature”(略してISCN)と呼ばれる改訂を行ってきました。最新のものはISCN, 1995です。
いろいろ難しいことを言いましたが、要は染色体は遺伝子がパッキングされたもの、あるいは遺伝子のコンテナです。 |
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| 染色体はもともときちんと並んで細胞に入っているわけではありません。これは標本を作って最初に見えてくる染色体の写真です。この中に2mのDNAが詰まっています。驚きですね。 |
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| 上のような標本を染色体の大きさの順に並べると下のようになります。下の写真は、46,XX、つまり女性の染色体です。こうして並べたものを核型(かくがた、とか、かっけいと呼びます)。右下にXの染色体が2本ありますね。 |
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下の写真は、XとYの染色体がありますね。46,XYつまり男性の染色体です。
女性はXが2本、男性はXとY。なんか、Y染色体ってX染色体と比べて格段に貧弱ですね。女性に比べて男性のほうが馬鹿なことをしやすいのは、この貧弱なY染色体のためなのでしょうか。男性のほうが馬鹿なことをしやすいのは、おおむね皆さんの意見の一致するところ。しかし、理由はY染色体が短いからではありません。この答は後日。乞うご期待。 |
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| さて、上の写真でも判るように、1から22番までの番号がついた染色体が22対、つまり44本と、XとX、あるいはXとYの染色体がありましたね。この番号がついていた22対を常染色体(じょうせんしょくたい)、XとYを性染色体と呼びます。22対の常染色体は、大きい順と形(着糸点の位置)で、AからG群に分けられます。最近は、分染法という染色体の染め方が進歩し、何番の染色体か、容易に識別できるようになったので、このAからGの呼び方はあまり使われなくなりました。 |
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1本1本の染色体はこんな風になっています。
左の染色体は着糸点(細胞分裂のとき、染色体が二つの新しい細胞に引かれていく場所が着糸点です)が真ん中近くにあるものです。A、B、C、E、F群の染色体がこれに当たります。
右の染色体は着糸点がぎりぎり端の方にあって、サテライトと書かれた側(短腕)には意味がある遺伝子がのっていません。D群やG群の染色体がこれです。 |
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| あっ、そうだ。この中には10000倍の長さのDNAが入っているんでしたね。これをずっと10,000倍にのばしたところを想像してください。 |
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